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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『子供はみんな天才だ!』   2021年7月19日

梅雨から夏…子供達が水や土や砂と一番仲良くできる季節。雨が降った後は園庭にできた水溜まりに長靴をはいてダイブ。あちらこちらで泥あそび。お日様が出たらプレイTシャツとプレイパンツに着替えて裸足になって水あそび。──子供達の顔は、どの子も笑顔です。子供達のそんな笑顔と歓声がいっぱいの幼稚園は活き活きとしています。

そんな中、朝から賑わう場所があります。小川です。そこには、年長組の子供達を中心にいろいろな学年の子供達が集まって来て様々な声が聞こえて来ます。ブルーギル(いつから、なぜこの小川にいるのかは謎で、本当にこれがブルーギルなのかも定かではありませんが……)を捕まえているのだと言うのです。子供曰く“ブルーギル”は、すばしっこくて、岩と岩の隙間に隠れてなかなか姿を現してくれないので、それを捕まえるのはそう簡単な事ではなさそうです。網を使わず、素手や砂あそび用のスコップやバケツで捕まえようと頑張っていました。『ブルーギル捕獲大作戦』です。私は、その様子を黙って見ていました。先ず岩の隙間をスコップで突きます。隠れているブルーギルを追い出すためです。その時にも、どうやらコツがあるらしく、「水が濁ったら見えなくなるから底にある泥までゴリゴリしたらダメだよ!」と言っている子がいました。なるほど、それにはみんな納得。「じゃあ僕が、バケツで押さえておくから…」と獲物が姿を現すところをすくい捕るというわけです。やっと出てきたら大騒ぎ!ブルーギルの動きに合わせて子供達もあちらこちらに移動していました。すると、他の子が廃材の蛇腹ホースを持って来て「これ!これ!これを小川に沈めて行き止まりをつくろう!」と言いました。せき止めて、ブルーギルの行く手を遮ろうという作戦です。子供達は、そのアイデアに「うん!いいね~!」と、またまた納得。小川に渡してある橋に隠れれば、ホースで大声追い出し作戦!そっちから叫んで!こっちで捕まえるから!」と挟み撃ち────。その現場では、いつの間にか“現場監督”“見はり班”“追い詰め班”“キャッチ班”“せき止め班”と担当が出来ていました。そして、またまた「あっち!あっち!」「そこ!そこ!そこ!」「待って!待って!」「静かにして!」「来た!来た!」と更にエキサイトした声が聞こえて来ました。それからしばらくして、「ゲット~~~!!」という声が聞こえたと思ったら「ヤッタ~~~!!」「スゲー!」「見せて!見せて!」と離れていても、捕獲できた事がわかりました。どれだけ時間がたったでしょうか。随分長い時間頑張っていたような気がします。私も近づいて「先生にも見せて!」と言うと皆が誇らしげに「ほら!」とバケツの中で「参った~」と言わんばかりに身動きできずにいるブルーギルを見せてくれました。「誰が捕まえたの?」と聞くと「ん?俺ら皆で!」と言いました。愚問でした。そうです!それは、みんなの知恵と力で捕まえる事ができたのでした。『ブルーギル捕獲作戦』大成功!でした。「みんな天才だね~、よく捕まえられたね~」と言うと、その一部始終を私に説明してくれました。本当は全部見ていましたが、一生懸命に話してくれる子供達が可愛くて頼もしく思え、私は知らなかった振りをして話し終わるまで聞いていました。そして、「やっぱり天才だ!」ともう一度言うと、子供達は満足そうに顔を見合わせて笑っていました。部屋で飼うとか飼わないとか言っていましたが、子供達はブルーギルが欲しくて捕まえていたのではなく、みんなで捕まえる事が楽しかったのでしょう。結局、小川に逃がしていました。そんな繰り返しを何日もしています。上手く捕まえる事ができる日もあれば、できない日もあり、子供達とブルーギルの根くらべというところでしょうか?捕まえられなくても、それはそれで、”根くらべ”の天才です。

いろいろな廃材を使って、ああでもないこうでもないと作りたい物を自分達の持てる力と技術を駆使して完成させようと頑張ります。完成品を見せて、どうやって作ったかを説明してくれます。周りは切り刻んだ箱や牛乳パック等の廃材でいっぱいの中、やっとできた自信作を持ち上げて「見て!見て!」と自慢します。「○○君は、何でも作れる天才だね。」と言うと、すっかりその気になった顔をします。

縄跳びが……鉄棒が……何回もできるようになったと見せてくれます。「縄跳びの……鉄棒の天才だぁ~」。数回しかできないのに「見て!」と何回も挑戦して見せてくれる子にも「頑張る天才だ!」と認めます。友達に優しくしてあげられる子、「優しい天才!」擦り傷いっぱいつくって遊ぶ子、「わんぱく、やんちゃの天才」なのです。

子供達は、どんな事をどのようにしていても、それがどんな結果であっても、無我夢中でやっている事を認めてもらえれば、自分の力に自信をもつ事ができます。そのどこがあなたの凄い力なのかを気づかせるのです。たとえ失敗に終わったとしてもその過程には、どこか「天才だ」と認めてあげたい事があるはずです。自分の苦手とする事、ダメだと思う事は、長い人生の中でいずれ嫌でも自己分析できるようになります。でも、子供達には早くから苦手意識ダメ意識をもたせるのではなく、僕はできる!私はこんなところが凄い!と思わせてもらえる得意意識があれば、少々の事にはめげない力が備わってくるのではないかと思います。

先週やっと、保育参観で幼稚園でのお子さんの様子を観ていただく事ができました。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、保護者の皆様には幼稚園においでいただく事もままならない状況でした。しかし、この間にでも、子供達はいろいろな事を経験し、順調に幼稚園の生活に慣れ、一人ひとりがちゃんと成長しています。そんな姿をどんな風に観ていただけたでしょうか? その日が、どんな様子であっても、目に見える成長にはもちろんですが、ほんの小さな心の声や成長にも目を向け、お子さんに「あなたは天才!」と言ってくださったでしょうか?そう言ってもらったり、思って見てもらえたりする子供は、その言葉を自分の底力にして成長していくのではないかと思うのです。

さあ!明日から夏休みです。子供達に「あなたは天才だ!」と言ってあげるチャンスがたくさんあるはずです。そんな言葉をたっぷり浴びせてあげてください。

田房葉子



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