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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす りす




『世界を動かす精神』     2021年9月1日

長い夏休み、ご家族でどのようにお過ごしになったでしょうか?

1学期の終業式では、夏休みの間に大きなケガや事故にあわないように元気で過ごすための約束をしました。そして、自分の事はできるだけ自分で頑張ってみよう!お手伝いをしよう!という事も話しました。さてさて、どうだったでしょうか?これから子供達に夏の思い出と一緒にこの約束が守れたかどうかを徐々に聞いてみたいと思います。

今年の夏休みには、一年延期された『TOKYO 2020 オリンピック』が開催され、『パラリンピック』は現在開催中です。開催にあたっては、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中でいろいろな観点から論じられました。それとは違う次元で、誰もが叶える事の出来ない大きな目標に向かってひたむきに努力してきたアスリート達に目を向けてみると、やはり“感動”と“夢”を与えてもらえた事には間違いないでしょう。

どの競技でも、アスリート達の雄姿には感動させられましたが、その中でも私が一番印象に残って心動かされたのは、スケートボード女子パークに出場した岡本碧優(みすぐ)選手の挑戦でした。決勝で大技に挑戦し、残念ながら転倒してしまいメダルを逃したその戦いには、たくさんのドラマとこれまでの私の中でのオリンピックの見方が少し変わった素敵な瞬間を見る事ができました。メダル獲得に向けて選手達には、私達が想像するに余りある意気込みとこだわりがあるはずです。成功するかしないかギリギリのところで大技に挑んだ岡本選手のチャレンジ精神にも感動しました。そして転倒した後の事、そこには感動と共に爽やかな空気が選手達を包んでいました。悔しさに涙をこらえながら立ち上がりスタートポジションに駆け上がった彼女をたくさんの出場選手達が集まって迎え、笑顔と拍手で抱きかかえてその健闘を讃えていました。そこには、勝負と国境を越えたアスリートの友情が見えました。ライバルである前に同じ夢を追う仲間…技を競い合い磨き合う事でお互いに目標を更新していく者として、大技に挑戦した姿を讃えたのです。そのような姿を見せてくれたのが、10代の若い少女達だった事にも感動しました。これからの時代を背負い動かしていくだろう若者がこんなハートを持ってお互いを尊敬し認め合いながら夢を追っている姿は、まさに※「オリンピック精神」そのもので、このような若者達こそが平和と調和をもって幸せな世界をつくってくれるのではないかと、明るい未来を見たようで頼もしい気持ちになりました。

私達は、つい、国が獲得した金メダル・銀メダル・銅メダルの数を競ってみたり、勝った負けたと一喜一憂したりしますが、オリンピックに全てをかけてきたアスリート達が狙うメダルへの執念とは別に、応援する立場の者としては、そこだけを見るのではなく、果敢に挑む姿や振る舞い等にスポーツマン精神を感じ、世界中の人達に与えてくれる“感動”と“夢”に光を当てて賞賛したいと思うのです。

幼稚園でも、子供達は毎日いろいろな事に挑戦しながら生活しています。その中で、勝ち負けやできるできないだけではなく、友達がどんなに頑張っていたか、努力していたか、どこが素晴らしいかをみつけてあげる事ができる人になって欲しいと思います。大人社会でよく耳にする“結果を出さないと意味がない”“結果が全て”“結果オーライ”と言ってしまえばそれまでですが、子供のうちには、結果は良しと出なくても、それまでの積み重ねや意欲にスポットを当てて、その姿を認め合える仲間作りをしっかり意識させたいと思います。勝者は素晴らしい、敗者はダメ……の意識だと、人の事も自分自身にも肯定感が持てず、喜びが新しい目標をつくり、悔しさはバネにして再挑戦に向かうという次の意欲につながらないと思うのです。前はできなかった事ができるようになった、前よりももっとできるようになった……そんな姿の裏でその子がどんな努力をしていたか、どんな気持ちで頑張っていたかという事を含めて讃え一緒に喜び応援し合えたり励まし合えたりする関係を築いていく事ができる───そして、敵味方、年齢、性別、国、全ての枠を取り除いてリスペクトし合う気持ちを持つ事ができれば、友情や信頼が結ばれ平和へとつながっていくような気がします。他のスケートボードの選手が、インタビューで「ライバルだけど友達だから」という事を言っていました。この言葉に全てが語られていたような気がしました。

同じく、オリンピックに新しく加わったスポーツクライミングでは、競技前に選手達がみんなで、どうやって成功させるかを相談し合っていました。この競技はロッククライミングが始まりらしく、険しい岩山を登るために、クライマーみんなでさまざまな情報を得ながら知恵や技術を出し合い作戦をたてるのだそうです。「力を合わせて」とい“精神”が競技にも持ち込まれているというのです。私には馴染みのない競技でしたが、競技前のその光景にも同じ目標に向かって高みを目指す仲間の気持ち良さを感じました。陸上男子800メートル走準決勝では、国の違うふたりの選手が転倒し手を差し伸べ差し伸べられ、声かけ合ってふたり揃ってゆっくりゴールインしたシーンがありました。感動的でした。そこには、メダルがちらつかないそれ以上の美しいアスリートの姿を見ました。

今回のオリンピックは、新型コロナウイルス感染症により、アスリート達も世の中もなかなか出口の見えない状況の中での開催でした。また、いろいろな立場の方々の意見やご苦労やご苦悩があった事、今もなおその影響を受け大変な思いをされている方がおられる事に目を向けると、感動とは別に複雑な気持ちにもなります。しかし、私は、純粋にこれらのアスリート達によるドラマを子供達もテレビ観戦しているかな?お家の人達と一緒にいろいろな話をしながらどんな事を感じているかなと思いながら見ていました。開催中のパラリンピックでも、個性と力を発揮し活躍するアスリート達の姿に純粋に感動するでしょう。スポーツに限らず子供達の世界でも、いろいろな場面でこれらのドラマと重なる事がたくさんあるはずです。一生懸命頑張る友達を認め、自分もそうありたいと共にチャレンジしみんなで高まり合おうとする気持ち、協力し合いながら一緒に楽しく過ごそうとする精神は、いずれ社会を…世界を突き動かすはず!と思えるのです。

※「オリンピック精神」:スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合う事で、平和でよりよい世界の実現に貢献する。

田房葉子



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