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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『おおきくなるっていうことは』平成22年4月30日

今年もまた新しい春が訪れました。幼稚園にすっかり慣れ親しんでいる進級児と、何もかもが初めて…の新入園児達が入り混じってぽかぽか陽気の園庭でいろんな様子をみせながら遊んでいます。4月の間は半日保育だったので、楽しく遊んでいてもあっという間に降園時間になってしまっていました。来月からは、一日保育となり、いよいよ幼稚園生活が本格的に始まります。さてさて、子供達は幼稚園の魅力をどれだけたくさん感じてくれるでしょうか?

新年度になったら言うまでもなく、子供達は一つずつお兄ちゃんお姉ちゃんになります。この“一つ大きくなる”という事は子供達にとっては、実に魅力的で嬉しい事のようです。自分が成長したという実感がもてるのです。それは、周りの大人達がみんなして、「進級おめでとう!」とか、「お兄ちゃんになったんだね。」とか、「小さいお友達のお世話をよろしくね。」等と、持ち上げてやるからです。“一つ大きくなる”という事はこんなにステキな事なんだと子供達自身に気付かせてやることはとても必要です。

私は担任していた頃、毎年、年度末と年度初めに中川ひろたかさんの『おおきくなるっていうことは』という絵本を子供達に読んでいました。

子供達は大きくなるという事をただ単純に背が伸びた…とか身体が大きくなったとかということだけでなく、とても意味ある事なんだという事に気がついて自分への自信と、自分のする事や言う事に少しずつでも子供なりに責任をもつようになってほしいと思うのです。ご存知の方も多いと思いますが、その絵本はこんなふうに始まります。

『おおきくなるっていうことは、ようふくが ちいさくなるってこと。おおきくなるっていうことは、あたらしいはが はえてくるってこと。…………』それから、いろんな事にチャレンジができるようになる事や、我慢ができるようになる事、頭でいろんな事が自分で考えられるようになる等、心や知恵の成長にも触れています。大きくなる自分がこんなふうに変わっていくことに気づかせてくれる絵本です。今までの弱い自分にさようなら…甘えん坊の自分にさようなら…ができるきっかけをつくってくれます。そして、成長する自分像を描きながらそうなりたい!そうなろう!と思えるようになると素敵だなと思います。子供達はいつも大きくなりたいと思っているのです。

2年前の6月”葉子せんせいの部屋“で『朝の儀式』というタイトルで毎朝お母さんとの朝の別れが辛くて泣いている女の子の事を書きました。その時に登場した当時年少組だった女の子…。「今日は、早いお迎えしてねー!!」「チャッチャッと迎えに来てね!」と泣きながら自転車から降ろされ先生に抱きかかえられながら毎日登園していました。私は今年も例年のように中門で子供達を迎えながら、その女の子が、昨年、今年とメキメキお姉ちゃんになって来ているのを感じています。その子も今年は年長組…、最年長になった事が彼女にとっては、特別な事のようで、お母さんの話によると、「今年は幼稚園のリーダーだから、もう泣かないの。」と自分で言っているらしいのです。私はその話を聞いて、2年前の彼女とお母さんの『朝の儀式』を思い出し、胸が暑くなりました。なるほど、その子は今年度になって、毎日お母さんの自転車から降りて、保育室までまっしぐらに走って行きます。1〜2回振り返って、お母さんに笑顔で手を振るくらいで、中門から入ったら気分一新!幼稚園のリーダーとして頑張ろうと張り切っているのです。

子供はとても素直ですから、自分の周りの環境の変化に敏感に反応します。これまでとは違う環境をすんなり受け入れられる子もいれば、なかなか馴染めなくて気持ちがすくんでしまう子もいます。しかし、どの子も何とかこの環境を受け入れたいと頑張っているのです。様子が変われば、少しくらいは抵抗してみたかったり、その時のママやパパや先生の反応を確認してみたかったりするのです。その繰り返しをしながら、色んな感情をコントロールしたり壁を乗り越えたりして、環境を受け入れられるようになって来ます。子供達自身でも、気がつかないうちに心も成長して行きます。「大きくなったね。」「お姉ちゃんになったね。」と誉めてもらえたら、(そうか!こんな感じが大きくなるっていう事なのか。)(大きくなるってすごいんだな。)と自覚します。今までの自分とは少し違ったカッコイイ自分になりたいな…と奮起させます。友達と一緒にいる時の彼女をみても大きくなった事に自信をもっている様子がうかがえます。子供達は一つ大きくなるだけで、前とはちがう自分に変身することができるのですね。これから長い人生の中で何度変身するのでしょう。見事な蝶になるまでに、さなぎになり、脱皮していく青虫…。蝶になるまでには必ずこの道を通る青虫のように、どれも子供達には必要な時間で、一つひとつの時間を頑張っているのだと思って見守ってやらなければいけないと思うのです。その女の子にも今までに色んな事があったでしょうが、こんなに立派なリーダーになりました。その事を一緒に喜んであげたいと思います。

そして、その絵本は、こう終わっています。

『……おおきくなるっていうことは ちいさなひとに やさしくなれるってこと。おおきくなるっていうことは そういうこと。またひとつ おおきくなった おめでとう みんな。』

入園・進級、心からおめでとう。これからの変身振りがとても楽しみです。

田房葉子



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