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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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 『神聖なる場所』     平成23年11月30日

暑い夏に木陰をつくり子供達の身体を優しく包んでくれた園庭の木々の葉が冷たい風に舞い落ちる季節になりました。イチョウの木の下は黄色い絨毯(じゅうたん)のようにも見えるほどです。葉が落ちた木々を見上げると少し寂しくなりますが、春の準備を始めているのだと思うと、この趣もなかなかいいものです。

そう思いながら、朝の園庭にいると年長組の保育室から、鍵盤ハーモニカの音が聴こえてきました。よく聴いてみると12月に行われる“フロアーコンサート(音楽発表会)”で年長組が演奏する曲でした。出来ないから練習しているのでも、先生からしなさいと言われたからでもなく、何人かの友達で集まって弾いて遊んでいるのです。これまでにしてきた楽器別・パート別の練習があそびになっていました。きっかけは、“フロアーコンサート”に向けての、先生の指導だったけれど、それから自分達でどんどんモチベーションをあげ、自然に「もっと上手になりたい」「もっと弾いて楽しみたい」と思うようになってきます。そうしながら、子供達はどんどん技術を磨き挑戦する事を楽しみながら上達していきます。そんな何日かを過ごし、いよいよ先日からホールで合奏の練習を始めました。年中組・年長組は合奏、年少組はお遊戯を発表します。これまでに、フロアーコンサートを経験している子供達も、今年初めて経験する子供達も、ホールのステージでの練習はとても楽しみにしていたようです。それもそのはず、先生達が、ホールに行って練習する事をもったいぶって話すからです。「キラキラステージで踊れるよ」とか「ホールで大きな楽器を使って合わせてみるのが楽しみだね」等と、毎日の練習が楽しみになるように話します。また、「頑張って練習して、ステージで演奏しようね。」と話す事によって“ホールに行くこと”が目標になるのです。それからは、子供達の意識の中で“いつものホール”が“憧れのホール”に変わります。早くホールのステージで踊りたい!演奏したい!とウズウズしてくるのです。

ある年少組の男の子が、ホールでの練習を明日に控えた日、降園前に、先生から「明日は、いよいよホールのキラキラステージで踊るから楽しみに幼稚園に来てね」と言われ、家に帰ってからもその事を嬉しそうに母親に話し、翌朝も楽しみに幼稚園に来たそうです。その子は、やっと行く事ができた“憧れのホール”のステージで笑顔いっぱい嬉しそうに踊っていました。年中組・年長組もまた、ホールに入って来る時の顔つきがいつもと違っていました。普段は、お誕生会でにぎやかに楽しく過ごすホールが、“憧れのホール”で、“神聖な場所”になっているのです。だから、そのつもりでホールに集まる子供達は、いつもと少し違い、整然と並び、静かに歩いてやってきます。そして、練習のスタンバイをします。

ホールに行く時の心構えや、挑戦しようとするいい緊張感が子供達の心に宿ります。子供達はこの空気を楽しみます。私は、たとえ幼い子供であっても、今この場所はどんな場所か、自分がどうしないといけない場所なのかが分かり、そのように振る舞えるようになってほしいと思います。いつもいつも同じ空気、同じ気持ち、同じ自分ではなくて、その場に応じて自分の気持ちを切り替えられる子になってほしいと思うのです。その空気の中だからこそ味わえる喜びや楽しみや感動があるのです。この空気こそが子供達にとって“神聖な場所”なのです。そんな場所をつくってやることは大切です。

“神聖な場所”を楽しめるのは素敵な事だと思います。

戸外あそびで大はしゃぎをした気持ちのままがどこでも通用するかといえば、そうではありません。小さな子供だから仕方がない…ではないのです。年長組の子供達が毎月一回行っているお茶会でも、5歳6歳の子が席入りをする顔つきは、いつもと違い神妙な面持ちです。それだからと言って苦痛なのではなく、みんなその神聖な空気を楽しんでいます。そこに身を置く気持ちをどのように切り替えればいいのかを分かっているからです。ここはどんな所か、ここではどんな事がありどう行動するべきなのか、どうする事が周りの人にとっても自分にとっても良いのかということを話してやれば、ちゃんと分かって行動できるのです。それは、その子にとって賢い人になる一歩につながると思います。

これまで、保育室で練習してきた事をこの”神聖なるホール“で、力いっぱい出し切る事を夢見て頑張ろうとすることができる子供達はすごいと思います。”神聖なる“…なんて大げさかもしれませんが、小さな子供達にとっては、幼稚園のホールでさえ、やり方や考え方次第では、大切な場所としてひとつの目標にする事ができるのです。

本番のフロアーコンサートでは、ステージに立つ子供達がそんな気持ちで臨む姿を、きっと頼もしく思っていただけるのではないかと思います。どうぞ、楽しみにしていてください。

やるときゃやる!!そんな子供達を応援してやってください。

“神聖なるホール”に響き渡る大喝采は、子供達をまた一回り成長させてくれる事でしょう。

田房葉子



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