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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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「今、自分にできる事」 
              平成24年7月18日

1学期が、今日で終わりました。アッという間だったように思います。新しい環境に慣れる事に精一杯だった新入園児にとっては…そして、その保護者にとっては特に早く感じられたのではないでしょうか?さて、明日から長い夏休み。一緒に過ごせる時間を普段より少し濃く関わってみてください。幼稚園の経験で、どれ程、子供達が成長しているかを感じるいい機会だと思います。

幼稚園の1学期は、新しい環境に慣れ親しむ事が最初の目標です。色んな経験の中で、相手の事を知ったり自分の事を知ってもらったりしながら、先生や友達との信頼関係を築きます。この1年間の基盤をつくっていくのです。そんな環境の中でさらに個の力や想いを発揮させ個々を磨き合います。

先日、こんな場面に出くわしました。ある朝の登園時間、私がテラスを歩いていると年長組の数人の子供が「葉子先生!○○君が鼻血出てる!ちょっと来て!」と走って呼びに来ました。保育室に行ってみると、一人の男の子が転んで鼻血を出していました。床にもポタポタと血が落ちていて、子供達が集まっていました。その男の子はクシャクシャに丸めたティッシュで友達に鼻を押さえてもらっていました。可愛いキャラクターの模様のあるティッシュでした。友達が思わず、自分のポケットからティッシュを差し出してくれたのでしょう。私は、止血のために、子供達に代わって鼻をつまみました。すると、ある男の子が「先生が来てくれたからもう大丈夫だからな!」と励ましてくれました。そして、またある男の子は、汚れたティッシュを捨てるためのゴミ箱をせっせと運んで来ていました。そんな様子を嗅ぎつけて、他のクラスの子供達がたくさん集まってきました。すると、別の男の子が「見ないでください!見てあげないでください。」「はいはい、早く自分らのクラスに戻ってくださーい!」と、人の整理を始めました。そして、ふと見ると、一人の女の子が自分のティッシュで、少し離れた所の床に落ちている血をしゃがんで拭いてくれていました。なんて素晴らしいチームワークなんだろう、と微笑ましく見ていました。友達を心配して、たくさん集まって来ても、それだけでは何も助ける事はできません。その状況の中で、自分には、何ができるかと考えて行動に移せる子って凄いと思うのです。特に感心したのは、床の血を拭いてくれていた女の子──、その子は少し離れた所で人知れず間接的に友達を助けてくれていたのです。

私はその女の子を見て、ある事を思い出しました。私が京都の幼稚園に就職して1年目の時の事です。毎朝先生達と一緒に園庭を掃除していました。みんなほうき片手に掃き掃除をします。するとそのうち、若い先輩の先生がちりとりを取りに行かれました。そして、ゴミ箱を持って来られる先生、草取りを始められる先生……とみるみる間に、先生達がそれぞれに違う事を始められたのです。そんな様子に相変わらずほうきを持ったままの私はうろたえていました。そんな私の気持ちを察知されたのか主任の先生が、「葉子先生、いつまでもみんなと同じ事をしていたらアカンのよ。みんなより一つ二つ先の事を考えて動かなアカンのよ。それが、仕事するっていう事やで。」と声をかけてくださったのです。掃き掃除をするのなら、そろそろちりとりがいるだろう…、そうなったらゴミ箱がいるかな?ゴミの量によっては一輪車がいるかな?──とその先を考えて行動する事、今の自分は何をしなくてはならないか、何ができるかを考えて動く事、それを教えてくださいました。社会人にならないとそれがわからなかったのかと言われれば、お恥ずかしい話ではありますが、何かのために、誰かのために…と直接それに携わらずとも、いろいろ気をまわし密かに働く事やそうできる人の奥ゆかしさが、とても美しく見えてハッとさせられたのでした。

今の自分には何ができるだろうか?今のその状況を見て、それなら私はこうしよう、次はこうしよう…と自分で考えて行動に移せる子は凄いと思います。

頼まれた事しかしない、頼まれないと、指示がないと動けない人にならないように、心と頭のアンテナをピンと張って生活していれば、色んな事にも興味が湧くし、たくさんの物事を心のシャッターで捉える事ができると思います。子供達が心と頭のアンテナをピンと張るには、嬉しい事、悲しい事、楽しい事、辛い事等いろいろな事を経験させて、その都度大人が、その事に気付かせてあげる事だと思います。そして、子供の心を揺さぶり、自分ならどうするだろう?私はこうしたい、僕ならこうする、という想いを自由に持たせてやる事が大切だと思うのです。そうしていくうちに自分で行動に移せる子になっていくのではないかと……。

床の鼻血を拭いてくれていた女の子のお家には、つい最近赤ちゃんが生まれました。お姉ちゃんとしての大人には見えないプレッシャーもあるかもしれませんが、彼女は、家族の中で…家族の一員として何かをしたいという気持ちをいっぱい持っている子です。きっとお家でも、今の状況をお父さんをはじめたくさんのご家族の方と一緒に支え合って毎日を過ごしているのでしょう。そして、家族の姿そのものを彼女の心のシャッターはしっかり捉えているのだと思います。

田房葉子





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