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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『ちょとした時間…されど大切な時間』
         平成27年10月30日

明後日から11月……今年のカレンダーがあと2枚となりました。新しいカレンダーを壁にかけたのがついこの前のような気がします。しかし、その頃の事から、一つひとつ丁寧に思い返してみると、いろいろな事があって、長くもあったようにも感じます。新年度を迎えた春、幼稚園には新しく可愛い仲間が増えました。新しい生活になり、その中で出会う先生や仲間達と、共に過ごしながら段々打ち解け合えるようになった頃夏が訪れました。水や土に触れながら心も身体も開放感に満ち溢れ、友達とは喧嘩もできるくらい深いつながりもできました。日々の生活の出来事は勿論ですが、様々な行事では、仲間意識を積み上げ、それぞれの子供達が“責任”と“自信”を持つ事ができました。そして、現在、秋を迎えここまで来ています。また、この間に、同じ場所で共に生活する人への愛情や信頼する心が育つことによって、人間形成の基礎が培われている事を感じる事ができます。

先日、あるクラスで製作をしている所に入って様子を見ていると、数人ずつで一つのセロテープやマジックを使いながら活動をしていました。一つの物をみんなで使い合う場合、その間、待ったり待たせたりします。「早く貸して!」「代わりばんこよ!」「そればっかり使わないで!」という言い合いにもなります。そう言われてしょんぼりする子、それに負けずに「ちょっとぐらい待ってくれたっていいじゃないの!」と張り合おうとする子「じゃあ、僕はこの色を先に使うから…使っていいよ。」といろいろと友達と言いあいながらも製作活動をしていました。たったこれだけの事ですが、こうしたやり取りの繰り返しが子供達のコミュニケーション能力を育てます。譲ったり譲ってもらったり、我慢したり自分の意見を主張したりしながら、その場が気持ち良くいく方法を編み出していけるようになるのです。

また、一人の女の子が製作しているパーツの一部が見当たらなくなって必死で「ないない!」と騒いでいました。私も一緒に彼女の周りを探したり、周りの子に聞いてみたり机の上や下を見てみましたが見つかりません。そうしていると探していた女の子が向かい側の子に「アッ!!それ私のよ!」とキツイ口調で言っていました。自分のパーツだと間違って使おうとしていたのです。言われた子は、その声に少し戸惑ってい

ましたが、即座に「ごめん!間違えてた!」とそのパーツを返しました。それに対し、初めは少しムッとした顔でとがめていた女の子は、あまりにも普通に謝られ拍子抜けしたのか「ううん、いいよ」と、自分も素直に言えたようでした。そして、それからは、テープやマジック等をお互いに譲り合いながら「ありがとう」「はい、どうぞ」の言葉のやりとりも聞かれました。こういう言葉が自然に出てくる関係が、このちょっとした時間にでも築かれていくのを微笑ましく見ていました。

このような場面を集団生活の中ではいろんな所で見る事ができます。クラスの中だけでなく、それはクラスや学年を越えて作られる事もあります。朝の送迎バスの中での事です。ある男の子が隣の座席に座るクラスの違う女の子に何やら相談をしていました。「僕、○○ちゃんと遊びたくて、いつもあそぼう!って誘うんだけど、いや!って逃げて行っちゃうんだ。遊んでくれないんだよ」と…。「ふーんそうなんだ。その時は、遊びたくなかったんじゃない?でも、そうだったら“今は遊びたくないよ”って言ってくれたらいいのにねぇ。今日は遊んでくれるかもしれないよ。もう一度言ってみたらいいよ。」と提案してあげていました。その日の帰りのバスの中、「ねえ、今日は遊んでくれた?」と相談を持ち掛けられた女の子が男の子に聞いていました。一日気にしてくれていたのでしょう。男の子は、「今日も遊んでくれなかった」と思い出したように答えていました。「じゃあ、明日もまた次の明日も“あそぼう!”って言ってみたらいいんじゃない?そうしたらいつかは、遊んでくれると思うよ。だめだったら、あきらめて他の事をして遊べばいいじゃん?」と……その答えに少し笑ってしまいましたが、そこにも、友達の事を気にしたり思いやったり、周りの友達の気持ちを探ったりしながら、子供達なりに最良の解決策をみつけようとしている姿がありました。

新年度からこの半年の間に、上手くいく事やいかない事、嬉しい事や嬉しくない事等を繰り返し体験する事で、心地よく生活するために何が必要かどうしたら良いのかを自然に学んできたのでしょう。コミュニケーション能力の基盤がつくられてきているのだと思います。それを体験するための『経験』が幼稚園の生活の中にはたくさんある事を実感します。よそよそしい関係から、幼稚園生活の中でどんどん周りの友達に興味をもってお互いに知り合い、何でも言える関係を築き、その上でさらに共同生活を営んでいく……。いずれ子供達は、この社会の一員として、いろいろな事を考え判断し、自分の足で人生を歩んで行かなくてはならないのです。そのためにも、そんな逞しくかつ柔軟な心をもつ自分を作ってくれる様々な経験と様々な人達との触れ合いや関係が必要である事を微笑ましい子供達のやりとりの中で感じるのです。

こんな事を思うと、アッという間のように思える今日までの日々の一日一日がどんなに大切な時間であったか…、そして、これからの日々も子供達が成長するための時間としてどう過ごすかをじっくりと考えていきたいと思うのです。

田房 葉子





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