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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす





『まわしを締めて…いざ!』
         平成27年6月30日

プールから子供達の歓声が響き渡ります。園庭では乾いた地面に水を運び泥団子作りやおままごと、小川ではザリガニやエビの可愛い赤ちゃんを見つけようと一生懸命な姿……。幼稚園内の自然と戯れて遊ぶ子供達の様々な姿が、実に生き生きとして見られます。そろそろ夏休みの声も聞かれます。この夏にいろいろなあそびを経験し、一段とたくましくなっていくことでしょう。

さて、夏休みに入るとすぐに、年長組は幼稚園を離れ県外に一泊二日の合宿保育に行きます。今から楽しみにしている子もいれば、不安で不安で仕方がない子もいます。いろいろな気持ちで、その日を迎えますが、必ず、みんな楽しい思い出をつくって帰ります。そして、この経験をきっかけにグンと心を成長させるのです。どの子供にも楽しみになるように、これから当日までしっかり声をかけてやりたいと思っています。年長組の保護者の方に配付する合宿保育のプリントにも、子供達が有意義な経験ができるように、準備物や注意してほしい事、書類の提出等について細かく書いてお願いしてあります。実は、そのプリントの中に、以前はなくて、ここ数年になって加わった文章があります。それは、『必ずお子さんと一緒に、リュックサックのどの部分に何が入っているかを確認しながら入れてください。』という一文です。それは、ある年、現地について、お風呂に入る準備をする時の事でした。「きれいなタオルと、新しいパンツを出して、長袖長ズボンをここに置きましょう。」と、先生が声をかけると、たくさんの子供達が「ないない!」「これ〜?」「入ってな〜い。」「どれのこと〜?」とまるで自分の荷物ではないかのように、困っていたのです。たったの一泊とは言え、親元から離れて過ごす我が子の不安な気持ちを考え、ちゃんと準備をしてやろうとあれこれ考えるのが親心──忘れ物があっては大変だと何度もプリントを読み返しながら、子供がいない所で、慎重に荷造りをされたのでしょう。そして、当日の朝「これが、持っていく荷物よ。」と渡されたリュックを背負って幼稚園に集合したのです。お家の方は、漏れなく完璧に準備したつもりでおられたのでしょうが、実は、自立しようとするいい意味での“覚悟”……子供達の“心の準備”ができていないまま出発したのです。準備する時に、「ここに入れようね。」「新しいパンツはここに入れてごらん。」「歯ブラシは…」「汚れた物は…」と子供と話をして、確認しながら準備ができていれば、きっと、現地で困る事は何もなかったはずなのです。そうした準備の時間が、子供をその気にさせ、楽しみになったり頑張っていく覚悟になったりするのだと思います。「お母さんがそう言っていたな。」「そうか!自分でなんでもしなきゃいけないんだな。」「なんだか、できそうな気がしてきたぞ。」と、その時点で、もう自立への道ができてくるのです。「いざ!!」とか「よし!!」という、まわしを締める気持ちになるのです。

準備物のリュックサックについては、『新しく購入される方は、お子さんと一緒に使い方を確認し、自分で使えるようにしてください。』という一文も加えてあります。自分の持ち物なのに、自分の物としてリュックサックや水筒等、扱い方がわからないで「せんせ〜い!できん!」と困っている…そんな光景がよくあるのです。子供達は、みんな、自分の力をどこかでちょっぴり試してみたいという冒険心があります。何もかもをお父さんやお母さんがしてあげるのではなく、その気持ちを引き出してあげるのです。子供達を信じて、自分の事は自分で…自分の荷物は自分で…できるだけ頑張らせてください。そうすると、“心配するほどの事ではなかったな。結構うちの子頑張れるんだな。”と、お父さんやお母さんが我が子を発見する事ができると思います。お家の人達から離れ、できるだけ自分の事は自分でする──というチャンスがたくさんあるこの合宿保育は、年長組の子供達にとって、自分を開拓し自分の力を発見できるとても良い経験なのです。

年長組の子供達に限らず、年少組でも年中組でも、色々な場面でまわしを締め、自分を奮い立たせる場面はたくさんあります。例えば、先ず、朝、パジャマから制服に着替える事によって、「幼稚園に今日も行くぞ!」という気持ちに切り替わります。自分の荷物を自分で持って、またその気になります。大人だって、仕事着を着れば、仕事へのスイッチが入ります。自分の事が自分でできたり、自分でしたりする、この何でもない当たり前の事が、子供達の心をその気にさせるのです。「よし!!」という気持ちにさせる事ができるのです。子供達にしんどい思いで不安にさせないように……苦労させないようにと、大人が先回りをしてはいませんか?子供が自分で気持ちの切り替えやスイッチを入れられるように、ちょっとだけ、子供達にまわしをギュッと締める良いきっかけをいろいろな場面でつくってあげてみてください。

今日も、満3歳児クラスの子供が、体操服袋等の自分の荷物を地面スレスレに持って保育室に向かって行きます。「すご〜い!頑張って持って行くんだね。かっこいい!」と声をかけると、とても得意気な顔をします。なんとも可愛くも頼もしい後ろ姿──。どんな小さな子でも、たったそれだけの事で、「いざ!!」というスイッチが入るのです。自分の力に自分自身で気が付いた瞬間でもあります。

田房 葉子





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