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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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『先輩の背中を追いかける』平成30年10月31日

猛暑だ!酷暑だ!と言っていた夏が嘘のように、朝晩が肌寒くなり、青々としていた園庭の木々も赤や黄色に色づき始めました。秋空の色や漂う空気の香り……色々な所に秋を感じるようになりました。こうして、少しずつ寒さの厳しい冬へと季節は移り変わって行きます。春から夏へ、夏から秋へと季節の変わり目に見せる自然の美しさを五感で味わえる日本に住んでいる私達は何て贅沢な事だろうかと幸せを感じます。

さて、先日は晴れ渡る秋空の下、秋季大運動会を行いました。たくさんのご家族の皆様から応援をいただきながら、子供達は実に楽しく園庭狭しと走ったり踊ったりしました。運動会当日は、みんなとても張り切っていて誇らし気でした。当日だけではなく、それまでの運動会に向かう活動の中で、子供達は“個の成長”と“集団の中での成長”をたくさん見せてくれていました。

運動会では学年毎にその年齢にふさわしい……もしくは、それより少しハードルをあげた種目に、チャレンジする気持ちで取り組みます。無理なく簡単にできる余裕も大切ですが、これから成長して行く上で必ず必要となる“挑戦する強い心と身体”を育てるためには、子供達の持つ今の力より少しだけ努力や忍耐を要する事に向き合う経験を用意してあげる──ここに運動会のひとつの意味を持たせます。応援してもらったり認めてもらったりしながら、自分で、“もう少し、あと少ししたらできそう。”“ちょっとだけできた!”“もう1回やってみよう!”と、少しずつ自信とチャレンジする勇気を持ち、達成する喜びを味わうのです。子供達は本番までに、そういった“個”としての心の成長を一人ひとりが得て来ました。

満3歳児クラスの子供達にとって、ルールを理解しながらたくさんの人を前に一人で走る事は、個から世界を広げて行動できる自覚と勇気の芽生えの成果です。年少組の子供達は、クラスの友達を意識しながら競争したり一緒に同じ事をしたりする楽しさを味わいながら、広がった世界の中で仲間と刺激し合い自分発見をしてきました。年中組の子供達は学年の仲間達と一緒に一つの事を作り上げていく経験から、競争心や闘争心を持つ楽しさを表現できるようになりました。そして、年長組は、できないかもしれなかった事に挑戦する勇気を得て“集団”の楽しさや大切さを実感しました。その中で、“自分発見”と“自己開拓”につなげていきました。運動会ではこれらを積み上げて来た姿を見てもらって、たくさんの人達に拍手で讃えていただきました。学年毎に取り組む中で、集団でこそ得られる成長があったのです。

そして、園庭で頑張っている姿や楽しそうな姿には、自然と子供達が集まって観ていました。特に年長組の鼓隊演奏の練習には、満3歳児から年中組までたくさんの子供達が年長組を取り囲み、見入っていたり真似てみたり拍手を送って応援したりする姿が見られました。難しそうな事に頑張っている先輩の姿を眩しく感じたに違いありません。いつも一緒に遊んでくれている○○兄ちゃんや○○姉ちゃんが、真剣な顔で頑張っている姿に尊敬の気持ちも抱いた事でしょう。僕達もいつかは、あんな事ができるようになるんだ!なりたいな!と憧れながら観ていました。そして、それを感じとりながら練習をしている年長組の子供達もまた自信を持ちます。どうだ!かっこいいでしょう!凄いでしょ!という先輩としての自覚や自信に繋がって行きます。クラス対抗リレーをしている様子にも後輩達が必死で手をたたいて応援します。こうした応援したりされたりの本番までの毎日は、子供達をその気にさせ、もっと!もっと!と欲を出して自ら頑張ろうという気持ちにさせてくれました。

運動会が終わってから、満3歳児の子供達が部屋の中で、おもちゃのマイクを片手に跳び箱の上にふたりで立ち、「わたしたちは、いちばんになるようにがんばります!どうぞおうえんしてください!れい!」と、年長組の園児代表挨拶を真似ていました。年少組の子は体操台に上がって、代表さながらに体操をしていました。年中組と年長組は一緒になって障害物競走の対抗戦を自分達で楽しんでいました。子供達にとっての運動会の楽しさは、あの日に始まりあの日に終わったのではなかったのです。

更に、園庭をよく見ると、異年齢で遊ぶ姿がたくさん見られるようになりました。小さな学年の子の我がままを聞き入れてくれたり優しくいたわってくれたりして、後輩を思いやる先輩達と、先輩を慕いその背中を追いかける後輩達とが良い関係で生活できるようになってきているのを感じます。そんな年長組も、一年前は憧れの眼差しで先輩達を見ていました。こんなふうに、いつかは私達もそうなりたいと思わせてくれる様々な事が、経験の中で引き継がれて来ているのです。先輩が頑張る姿を見せてくれるだけで、後輩達が憧れて成長していきます。先輩達は後輩の憧れの眼差しを受けてもっと頑張ります。子供達は、ちゃんと頑張っていた仲間達を学年を越えて認め合えていたのです。幼稚園の全ての仲間と一緒に頑張ったり楽しんだりする事で、応援し合える事で、集団だからこそ得られる成長がある事を実感します。

運動会が子供達にもたらしたものは、この経験の中で“個”“仲間”“集団”を意識し、心と身体を成長させる力でした。この経験はきっと子供達のこれからの自身を支えていく力になる事を信じたいと思います。

田房葉子





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