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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 白髪先生のつぶやき りす



平成11年度

  信頼関係 平成11年11月29日

先日、滋賀県の大津市で行われた全国園長研修会が終って、広島県の園長先生たちと現地の保育園と幼稚園の見学に行きました。男女20人ぐらいの園長たちが、ぞろぞろと保育園の門に入って行きました。その列の最後にいた私が門を閉めるなり、1人の年中組さんらしい男の子が、先に入ったほかの園長先生たちには目も呉れず、突然、私のところに走り寄ってきたのです。それも、「いっしょにあそぼ!」と、手を引いて『はないちもんめ』をしている中に連れて行ったのです。すると、驚いたのは他の園長先生たちです。「伊達先生、その子知ってるの?」と訊くので、「今始めて会った子だよ」と言うと、「うそ!、私なんか見向きもしないで伊達先生のところへ飛んでったよ」と言います。そこで私は、「子供は本能的に、誰が本当に自分たちのことが好きかを嗅ぎ分けるんだよ。あなたたちは全員園長失格!」と軽口をたたいて、しばらくその子たちと遊びました。『勝って嬉しい花いちもんめ♪負けて悔しい花いちもんめ♪どの子が欲しい♪あの子が欲しい♪よしこ先生が欲しい♪』と、私が、一緒に遊んでいた先生の胸に書いてあった名前を見て言うと、子供たちは、一斉に、「ダメ〜」と言います。やはり自分たちの先生がだいすきなんだと、子供とその先生の繋がりの深さを感じながら、園舎の中に入っていきました。年長組の部屋に入ったとき、また、1人の男の子につかまりました。「見て!見て!」と手をひっぱて、自分で、お菓子の空き箱を利用して、その中に道を作り、その一番下にフイルムを入れるケースをぶらさげ、その中に落ちて行くように作って、スロットマシンのように、どんぐりを転がして遊んでいます。「すごい!すごい!」と言ってやりながら、私も2、3回遊んだ後、「これ見ていて」と、そのどんぐりを手に持って、例のごとく、手品をしてやりました。どんぐりが消えてキョトンとしています。「ボク、自分のポケットを見てごらん」と言うと、一生懸命ポケットの中を捜しています。ポケットの中のどんぐりを見つけて、「このおじちゃん、すごいよ!」と、周りの友達を呼んで説明しています。その時に、「ここの園長先生のお話があるので集まってください」と呼ばれ、園長室に行っていろいろとお話を伺いました。身体に障害を持った子を積極的に受け入れていることも伺いました。1時間余りの話し合いが終って、出発の時間が来たので、お礼を言いながら、廊下まで出ると、先ほどの子供たちが、クラス全員と担任も一緒に待ち構えています。「このおじちゃんだよ!おじちゃん、みんなにも見せてやって!」と、どんぐりで遊んでいた子が言います。時間がないので、急いで3種類の手品をして、「ご免ね、もう時間がないから」と慌ててバスの中にかけ込みました。私を園庭で呼びとめた最初の子も、保育室でスロットマシンを作ってどんぐりで遊んでいた子も、実は、身体に軽い障害の有る子でした。
子供たちは、母親を始め、養育者や先生、周りのいろいろな人とのかかわりの中で、抱っこしてもらう、一緒に遊んでもらう、ほめてもらう、楽しい気持ちにしてもらえる、というような肯定的な経験を繰り返すことで、他者への信頼感が生まれます。もう一方、転んだりけがをして泣いているような時、「痛いね、痛い痛い、痛かったよね」と母親や先生が傷みの治まるで、その傷みを共有して抱きかかえてくれることは、自分の負の経験を正への経験に変えてくれます。このような経験が、人と人とを結び合わせ、人を人に向かわせる原動力となり、他者との信頼関係が生れるのです。先の子供たちが、初めて見る私を彼らの方から受け入れてくれたのは、母親を始め周りの人たちからしっかりと愛されているからこそ、子供は本能的に自分を受け入れてくれる人のにおいを嗅ぎ取ったのだと自我自賛して、心地良い気持ちで帰ることが出来ました。今日、大人が子供の前に立ちはだかりすぎていると思えてならないのです。常に良い子、常に強い子、常にがんばる子……。子供だってしんどくて、心をふさいでしまいます。やる気は、人に愛され認められる情緒の安定と信頼関係から出発するのです。




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