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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成18年度
『かわいい子には旅をさせよ』  平成18年9月1日

長かった夏休みも終わりました。どうでしたか?夏の計画は実行できましたか?おやおや、子供達が一日中家に居る賑やかな毎日に疲れきっておられるお父さんお母さんの姿、やっと静かな生活に戻れると胸をなでおろしておられる姿が見られますよ。わかる!わかる!わかるけど、親と子供が一緒に生活できる時間って、一生のうち思っているほどそんなにたくさんあるわけじゃあないんです。今のこの時間の大切さや楽しさを噛み締めて過ごしてください。
我が家の今年の夏の計画は、家族旅行もなくちょっぴり物足りないような気がしました。と言うのも、昨年『初ディズニーランド旅行』をし、我が家にしては2年分贅沢な想いをさせてもらったのと、もうひとつは小学校6年生の長女が、7月に約一週間彼女が入団している合唱団のアメリカ・シカゴへの海外遠征に参加したので、家族旅行どころではなくなったからです。特別楽しい計画はなくても、一緒に居るといつもは忙しくしていて気づかなかった子供達の成長が見えるので、私としては、“夏の観察”をしている気分で楽しかったです。特に今回の長女の海外遠征では、色々なことを親として考えさせられました。
長女は生後3ヶ月の頃から早くも人見知りをし、私をいつも探す子でした。ちょっとだけでも私が離れようものなら、声がかれるほど泣いていました。トイレに行っている間もドアを開けたまま(汚い話ですが)「ここにいるよ〜。お母さんはここだよ〜。」と呼びかけながら用をたしていました。ハイハイができるようになると追いかけて来るのでたいへんでした。そのまま大きくなり幼稚園に入園しても家に帰るといつも私の傍にいました。私は“この子はこういう性格なんだ”と思ってずっとどこかしらかばっていたような気がします。恥ずかしがりやで、人の前に出る事が苦手で、神経質で……。だから、私がついていてやらないと……と。小さい頃は、物怖じする娘にいつも「お母さんが見ていてあげるから大丈夫。お母さんがいるから大丈夫。」と応援していました。そんな娘が、今回のアメリカ遠征、しかもホームステイ。事前の説明会のたびに文化や生活の違い国民性の違いなど、詳しく聞けば聞くほど(この子がちゃんとできるのかしら?)と不安になっていました。
ある日「ねえ、大丈夫そう?」と聞くと意外な返事、「なんとかなるよ。そんなに心配せんでもいいって。お母さんがいなくてもお母さんがいないところではちゃんとできるんだから。」──私はハッとしました。案外この子は、私が思っているほど昔のままではないのかも、むしろ、親がいないほうが肝っ玉もすわりググーンと力を発揮できるのかもしれない。それからどんどん出発の日が近づき、沢山の準備物とスケジュールを自分で確認しながらスーツケースに詰め込み、英語の本を真剣に見ている娘の様子に、私が必要以上にこの子のことを想い心配することは、むしろこの子の邪魔になるのかもしれない。心配を口に出すのはやめようと思いました。心で案じていようと……。
出発のロビーで一曲合唱してくれた時、永久の別れでもないのについつい涙が出てしまいました。心配というよりも、あの一言を聞かせてくれた娘が私の目にはとても大きくたくましく映ったからでした。(実に親バカです)それから一週間のうち何度か、ホームステイ先のご家族(ホストファミリー)が娘の様子をメールで知らせてくださいました。言葉のやりとりやホストファミリーの家族の一員としての生活、合唱団のコンサートを通しての交流にも頑張っている様子を知る事ができました。親のいないところで、私達の手の届かない遠い所で、心身共に元気にしている事に「ブラボー!!」と叫びたい気分でした。一週間後帰国した娘は、機関銃の如く喋り続け、見聞きした感動や体験した感想などを一週間分メモした小さな手帳を見せて説明してくれました。そんな中「あーあ、早くこうして色んな話をお母さんとしたかったよ。」とポロっと本音。その晩は、時差ボケのせいか興奮のせいか喋り続ける娘……。私は夜遅くまでずっと聞き役でした。
人間、変えるには難しい“性格”というものはあるけれど、それがその人の全てだと決めてかかってはいけない。特にこれからがある子供には、決めつけないで、それをカバーしたり克服しようとする子供自らの力が出せるように親は出しゃばらずにいる事も親の役目だと痛感したのでした。守ってやらなければならない幼い頃──だっこやおんぶを十分して安心させてやらなければならない時期──もちろん“性格”とは関係なくどの子にもそれが必要な時期はあります。だけど、いつまでも必要なのではないのです。知らない間にそれを『卒業』する時が来るんですね。『ママがいるから大丈夫。』
から『ママがいなくても大丈夫。』に成長していくのですね。くれぐれも『ママがいないほうが大丈夫。』と言われないように……(苦笑)。かわいい子には旅をさせよと言いますが、これは子供のためだけではなく、親の成長のためにもある言葉だと気づきました。
「次は私が外国に行く!」と宣言する次女、あーあ、しばらくは夏の家族旅行はできそうにもありません。

田房葉子



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