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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



りす 葉子せんせいの部屋 りす



平成19年度
『古きを訪ね新しきを知る』  平成20年1月31日

先日、10年近く使った我が家の電子オーブンレンジが故障しました。電子オーブンレンジの基本中の基本のような、ただ食品の温めと解凍とトースト機能のついた単純なものでした。結構便利に使っていたので、壊れて動かなくなったときには大変困りました。もちろん、そればかりに頼って料理をしているわけではないのですが、仕事を持ちながら食事の用意をするにはなかなか便利なものです。しばらくの間は、電子レンジが無くったって料理はできる!と頑張っていましたが、急に解凍しなくてはいけない時、早くご飯支度をしなくてはならない時にはないと不便なものです。
これは、やはり購入しないと……と思い電気店に行きました。安いものはありましたが、どうせ買うなら……と少し欲張って、グリル機能の付いたレンジを購入しました。店員さんの説明をしっかり聞いて決めたのですが、朝食のメニューが一度にできてしまうというのです。卵・ソーセージ・野菜を鉄板に並べて時間設定すれば、ゆで卵・ボイルソーセージ・温野菜ができあがります。肉じゃがだって、耐熱容器の中に適当に切ったジャガイモやたまねぎやニンジン牛肉を並べ、調味料をかけてスタートボタンを押せばそのまま出来上がります。一瞬、(なんて便利!)と感心しました。いくつも鍋を出さなくてもいいのです。それぞれの時間や出来具合をつきっきりで見ていなくていいのです。その間、違うメニューに取り掛かる事もできるし、その場を離れる事もできるというのです。これぞ!主婦の味方!と思わされました。
家に帰り、こて調べにゆで卵を作りました。なかなかいいゆで卵になったのですが、それを子供達が見ていて、「ゆで卵は、鍋で茹でるんでしょ。お水の中じゃあないのにどうして茹でる事ができるの?」と、ふに落ちない顔をしていました。「じゃあ、何でもこのレンジの中に入れたら料理できるの?」と聞きました。私は、ハッとしました。この子達は、私がこの便利な電子レンジで毎回食事の用意をするようになれば、鍋の使い方も野菜の本当の茹で方も、黄身が真ん中になるゆで卵の作り方も知らずにお母さんになるかもしれない。そして、自分の子供に「ゆで卵は電子レンジで作るのよ。」と教えるだろう。たしかに、いずれそういう時代になるのかもしれない。かつて私達が、家庭科の授業で苦労しながら練習した足踏みミシンや、レバーを回しながら脱水する一層式洗濯機が、今や姿を消してしまい、新しい物に変わったように…。こうした時代の流れに人は皆、乗り遅れる事なくちゃんとついていっています。逆戻りする事はほとんどない。でも、やはり、掃除をする時は雑巾を手で絞るし、落ちにくい汚れの洗濯物は手でもみ洗いやたたき洗いをするのです。時代は変わっていっても、原点なるものは忘れられてはいないのです。炊飯器だって、かまどで火をおこして「はじめチョロチョロなかパッパ」とごはんを炊く古き時代が原点になっている事を私達大人は知っています。子供達に、この原点や基本も教えないで、便利な物を即与えていいのだろうか、それが、当たり前の物だと思わせていいのでしょうか。基本を教えた上で、新しい世の中の流れに乗せてやるべきだと思うのです。包丁の使い方・水や火、調味料の加減の仕方・味付けのコツ等、基本があって進化があるという事を教えてやるべきだと思います。そうでないと、便利な物が無くなったらその他の手段を見つける事のできない大人になってしまうような気がするのです。今の世の中、便利な物が次から次へと出回ります。私達の生活に時間と潤いをもたらすために素晴らしい事です。でも、その原点は大人である私達が子供達に教えてやらなければならないと思います。
こんな事を書いている私も“原点を知らない現代人”の一人かもしれません。しかし、幼い頃、母の手伝いをしながら…あるいは、母のそばで母がしている事を見ながら、原点に触れる事ができていたような気がします。その時はそれでも“便利になった世の中”だったのですが、それから世の中はどんどん進化していっています。ついに、電子レンジという箱の中でごちそうができる世の中になりました。これが当たり前なのではなく、「本当は、こんなふうに肉じゃがを作るんだよ。」「こんなふうに掃除するんだよ。」という事も教えておくべきだと思います。面倒臭くても、時間がかかっても、基本のやり方のほうがおいしかったりきれいにできたりする場合もたくさんあります。便利な道具を使うとしても、基本や原点をも知り見直す気持ちをどこかに持って子供達に伝えていかなければ、世の中がどこか変になりそうな気がします。
もともと人間は、原始時代、火と道具を使える唯一の動物だったのです。知恵を使い生きてきた動物です。賢い生き物なのですから、便利さだけを求めたり、それにしがみついてばかりではなく、原点を知りその良さにも感心を示す事も忘れないでいたいものです。
私も、子供達に、合理的な生活に流されすぎないように、本当のゆで卵の作り方や肉じゃがの作り方もきちんと伝えてやれる母でありたいと思います。と言いつつ、今日もまた便利な調理器で料理を作り、片付けも便利な食器洗浄機に任せる…。これって…。

田房葉子



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