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幼稚園からのおしらせ
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学校法人 三次伊達学園 三次中央幼稚園



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平成19年度
 『偲ぶ心』          平成19年9月3日

今年は、記録的に暑い夏でした。熱射病・熱中症・日射病といろいろなところでこの文字を目にし、まるで最高気温の記録会のようでした。そんな中で高校球児たちが、甲子園でプレーしている姿を見て、鍛え抜かれた精神力と体力そして、優勝という夢にかける高校球児達の気力に感動をおぼえました。広陵高校準優勝おめでとう!暑い!熱い!夏でした。そんな暑さをもたらしたおてんとう様もそろそろ秋の準備を始めているのではないでしょうか。
夏休みの間にご家族でたくさんの思い出をつくられた事でしょう。夏が終わるとなると楽しかった夏を振り返り、何だか寂しくなってしまいます。思い出があればある程、振り返ったときに物悲しく感傷的になるものです。懐かしさ余って涙する事さえあります。いい思い出にせよ悪い思い出にせよ、過ぎた日はもう二度と戻らないからです。その戻らない日が恋しいからです。
我が家の地域では、毎年お盆には地元の若い(?)人達の主催で、盆踊り会が行われます。実は、私も微力ながら主催者の一人です。地元の人達が多い地域ですので、街に出ている人達が、お盆休みに実家に帰って来たり、お墓参りに来て本家に集まったりします。ですから、その時期は大変賑わいます。盆踊りの日には、懐かしい人に会えたり、小さな子供達もたくさん来てくれます。いろいろな催し物や夜店があって準備は大変ですが、結構楽しいものです。
『盆踊り』の意味には、色々な説があるようですが、祖先達の霊のために行う事には違いありません。私が夜店の販売をしていると、二人の方が来てくださいました。それは、5年前に他界した義母をよく知ってくださっている美容師さんと公民館の方でした。その時、美容師の方が、「お義母さんが亡くなってからもう何年ですかね。本当にいい人でしたよね。おしゃれさんで、楽しい人でね。」公民館の方は、「人のために一生懸命働いてくださる人でした。お世話になったんですよ。」と色んな思い出を私に語ってくださいました。私の娘を見て、「この子が上の娘さん?まあまあ、大きくなられて。おばあちゃん(義母)もさぞかしここで喜んでいらっしゃるでしょうねぇ。可愛がっておられたから。」──私は、何だか胸が熱くなりました。「ここで喜んで……」という言葉に、(そうか、いつも私達の事を見ていてくれてるんだぁ。今日はお盆だから、きっとお義母さんもここにいてくれている。人の前に出るのが恥ずかしい人だったから、踊ったりはしないでうちわをあおぎながら、座って見ているかな。)と色々思ったりしました。
大切な人を失って、その時は深い悲しみに打ちひしがれたはずなのに、いつの間にかその人のいない生活が当たり前の生活になってきます。また、そうならないといけないのです。だけど、ふとした時に思い出したり、その人を懐かしみながら話をしたり……。私は、家の中で何か変わった事があると、いつも(どうしたらいいんだろう?こんな時お義母さんなら何て言うかな?どうするかな?)と考えます。きっと、力を借りたい気持ちからなのでしょう。私の娘たちも嬉しい事があると仏壇に報告します。きっと、おばあちゃんに褒めてもらいたいのでしょう。お義父さんは、おいしいものを食べる時や楽しい事があると思い出して「おばあさんもうらやましがっておるじゃろう。ここにいたら、喜ぶんだろうに…」といつも涙ぐみます。お義母さんは、亡くなってからも幸せです。こうして、色々な人達に思い出してもらえて。そして、私達の心の支えになってくれているのだと思います。そうしてみると、この世にいなくても家族の支えになっているなんて…お義母さんはすごい人です。不幸にして大切な人を失ってしまっても、私達にその人を偲ぶ気持ちがあれば、私達の心の中で生かされる──思い出して泣いてあげる事も、話題にしてあげる事も祖先の供養だと思うのです。
話題になった『千の風になって』という歌に元気づけられた方もたくさんおられるのではないでしょうか。白い盆灯篭がたくさんたてられたお墓の前で手を合わせる家族がありました。小さな子供も一緒です。悲しみから癒される間もなく初盆を迎えられたご家族でしょう。お墓の前で涙を拭っておられました。幼い子供達は、そんな大人たちをじーっと見ています。はしゃぎまわれない神妙な雰囲気を幼いながらにも察することができたようでした。お母さんから促されてお墓にしゃがんで手を合わせていました。私は、きっと、このご家族も、毎年ここで亡き人を偲び、それを力にまた元気を取り戻し、家族が力を合わせて強く生きて行けるようになるのだろう、と思って見ていました。小さな子供達にとって、飼っていたペットが死んでしまったり、大切にしていた宝物が壊れたり……。そんな時でも「死んじゃいました。さようなら。」「壊れちゃいました。捨てましょう。」ではなくて、大切だった物は大切だった物のように、それを偲ぶ気持ちを持たせてやるべきだと思うのです。お盆にお墓参りをする私達大人の姿を見て子供達は、本当に大切な人を失くしてしまったんだと感じ、その子達もまた、大切な人としていつも偲んでくれるようになるでしょう。
『偲ぶ心』は、人を人として大切に思う心だと思うのです。

田房葉子



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